ゲーセン高コスト問題

この主張には自分も禿げ上がるほど同意。

ソーシャルゲームよりゲーセンのほうが「高コスト」問題 - シロクマの屑籠

結局、「大人の娯楽としては格安」という最大の売りが返ってゲーセンを死に追いやった。缶コーヒーでさえインベーダー時代に比べて「20円も(笑)」値上がりしたのに、ゲーセン基本料金は30年間据え置き。しかもそれは業界の企業努力の結果でも何でも無くて、ただの惰性に過ぎない。

これがまだ「ガキのお遊び(笑)」だったらまだ希望はあったかもしれません。しかしゲーム機は高性能になり、それこそ映画の様な秀麗なグラフィックで再現出来る様になったため。「大人の娯楽」として充分耐えうる様に昇華され、昨今は「趣味はゲームです」と言っても引かれる様な事は希になりました。ゲーマーも開発者もようやく不遇の時代から解放され、互いに鼻高々でこの世の春を謳歌したのです。

ですが人間の欲望には際限がありません。もっと綺麗なグラフィックを!もっと高音質な音楽を!もっと面白いゲームを!もっと!もっと!!もっと!!!

大人になった僕たちは「子供だまし」では満足出来なくなり。開発者も「より良い物」を作りたいという衝動から逃れる事は出来なかった。良い物を作るためには良い人材、良い機材が必要だ。違いが分るゲーマーを満足させるためには、それに見合った多額の開発費が掛かる。当然の結果だ。

物価の優等生の卵の如く、ゲーム開発費が時代と共に半分以下になったのなら、「お値段据え置き」も有りだろうけど。実際は逆も逆、開発費はインベーダー時代と比べて有に倍以上~時には100倍以上掛かる様になった。開発費は年々、倍々ゲームで高騰するのに、肝心の売値(プレイ料金)は据え置きのままではどう考えても破綻する。

別にアーケードゲームに限った話じゃなくて。例えばマクドナルドや牛丼の値下げ合戦の顛末を皆さんはご存じでしょ?良い物を提供するにはそれなりの値段を頂かないと、一時的には良くても結局は長く続かずに、体力が切れたメーカーから次々と脱落していき。後には死屍累々、粗製乱造で安かろう悪かろうの俗悪メーカーしか残らない。要は完全に「安物買いの銭失い」を地で行く様な結果になったと言うだけの話。

まあだからと言って末端のゲーマ諸氏が「今日は1プレイ500円払うゼ!」みたいな事が出来る訳でも無いので。互いにチラチラと顔を見合わせながら、いつかこのままではDeadEndになる事を感じながらも、互いに共犯関係で今日まで来てしまった。

結果、現状ではアーケードゲームはオワコンとなり。ソーシャルゲームは時代の寵児となった。

一度、オワコンになってしまったモノは、もう二度と再び蘇る事は無い。どんなに皆んな切望しようと、もう決して佐渡のトキが大空に舞う日が来ない様に…。

P.S.
中国から全く別物を持って来て「日本のトキ復活や!(どや」は可能ですが。それはもう「日本のトキ」では無い。

オワコンとは完全消滅とは限らない。トキが佐渡に行けば見られる様に、秋葉原や高田馬場に行けば熱気溢れるゲーセンライフを、あと10年くらいは満喫出来るだろう。

でも一昔前まで、トキは日本中にそれこそカラスやスズメと同じ様に、ごく普通にありふれた鳥だった事を、もう今の我々は忘れてしまった。