10月に入り新番組ラッシュが始まります。
新作アニメ批評::テラフォーマーズ
やっぱ微妙。原作漫画の第1話を試し読みした時はもうちょっと高揚感があったと思うけど…。仮にも現代延長路線SFで、こうもSF考証(科学的知見)がいい加減だと、さすがに話が頭に入って来ないと言うか。だったら最初から異世界ファンタジー設定とかにして貰った方が、まだすんなりと入り込める。
特に一番、無理って言うか受け付けられないのが、この作品の中核である「ゴキブリが火星環境で進化した」て部分。何つ~か…全ての昆虫は年間平均気温が10度下回ると活動出来なくなる~て言う昆虫学の基本の初歩がいきなり無視されてて(虫だけに)。さらにこれも基本中の基本だけど「ゴキブリは南アフリカ原産の昆虫で特に寒さに弱い種類の昆虫」と言う点。何かもうね、う~んて感じしかしない(笑)。
大体、ゴキちゃんって昆虫の中では虚弱体質で、環境の変化とかにもあまり耐えられないひ弱な部類。繁殖力強いイメージがあるけど、卵から孵化して成虫になるのに半年~8ヶ月以上も掛かる、昆虫の中ではかなり成長が遅い部類。要は有りがちなイメージ先行型害虫で、そもそも全体生息数の99%は人家では無くて森の中に棲む森林の生き物、森の精霊的な存在。要するに普段は山の中で動物の死骸や落ち葉等を食べて、それらの分解を助けている。カテゴリー的には「畑のミミズ」と同じジャンル。
人間が居なくっても地球環境はそう変化しないけど。ゴキブリが世界から居なくなったら、間違い無く地球環境は激変し、真っ先に人間社会にダメージが来ます。
さらにもう1つのギミックである「コケ(苔)」。これも火星環境下では致命的。苔や藻類は確かに原始的な植物で、如何にも荒涼とした環境下に適応出来そうな最初の植物に相応しそうだけど…。これもNGて言うか。コケ類は繁殖に欠かせない胞子の受精に「豊富な液体状態の水」が必要不可欠!従って気温が低く、常に乾燥して砂嵐が吹き荒れてる様な火星環境下には最も不向きな植物。そもそも地球でも最初のコケ類は、温暖な海岸近くの浅瀬の岩礁や浜辺などから進化をスタートさせてる訳で。うん、これもやっちまったなぁ~て感じ。
しかも何かもう既に、ゴキ人間は実はバグズ1号以前の隠された真の最初の火星入植者第1号の被験体として、ゴキブリと人間のDNAを融合したけど。それが大失敗して火星で暴走反乱し制御出来なった~的な落ちが初っ端から見え見えなのも何だかな。コレて絶対に最後に女王ゴキが出て来る展開でしょ(笑)?
P.S.
自分だったら最強害虫として出すなら…ブヨ蚊ハエ類(双翅目)だな。双翅目は名実ともに最恐最悪の害虫。こいつらこそ真の人類の敵!
最近もデング熱で注目を浴びたけど、実に様々な伝染病の媒介宿主となって人類創世の大昔から21世紀になった今なお、世界中で多くの人々を苦しめている。ゴキブリが嫌とか怖いなんて言うのは、富裕層のセレブのファッション!贅沢病です。