日記:2018-08-21

習慣アニメ批評: ゲーム女

いわゆる「豪鬼コマンド」が世に知られる様になったのはX発売から3ヶ月くらい経ってからじゃね?それに発売直後こそXはそれなりに耳目を集めてたけど、そもそも第一印象も悪かったし、自分らみたいなハイスコアボーイガチ勢ですら「オワコン(笑)」みたいな目で見られていた。まあ作者や登場キャラがどういった感情を抱いていても良いけど、歴史的事実(笑)と正反対の事象を正史だったかの様に流布するのは如何なものかと思います。

それに春夫氏がこの時期、アーケーダーの話題をかっさらっていた『餓狼伝説スペシャル』と『ワールドヒーローズ2』に一言も言及が無いのはさすがに不自然過ぎない??因みにFHDとXがほぼ同時期(笑)。全国的に例外無くXのインカムはガロSPに惨敗し、可動1週間足らずで早々にXを撤収しターボを復活させるゲーセンが多かった。30年余り経て今でこそXは格ゲー史上に燦然と輝く不朽の名作となっているけど、発売当初は「マンネリ続編」「富士山バスターのパクリ(笑)」「今更、超必導入とか恥知らず!」~等々のゴミカス評価だった。そして前述のように肝心のインカムが悪かった。サムライ+ガロスペの2枚看板のSNKに完全に負けていた時代だったのだ。

そもそも「豪鬼コマンド」はこの様な大苦況に際し危機感を感じたCAPCOM側から意図的にリークされる形でゲーム専門誌等へ情報が流され、そこから一般ゲーマーの知る所になったのが正しい経緯(CAPCOM営業所から直にFAXで情報が送られて来た店もあった)。今まで隠しキャラ的なモノが格ゲーにも無かった訳では無かったけども、豪鬼みたいな "隠しラスボス" がプレイアブルキャラになるのはせいぜい家庭用に移植された時のみである、この様に本場のゲーセン環境で実際に過不足無く使える状態になるのは初めての事だった。それ故、今まで全く見向きもされて無かったXが急に注目を集めだし、常連ゲーマー達はゲーセンの親父や馴染みのバイト店員に「豪鬼使ってみたいんでX入れてよ!」と言い出したので再びXがゲーセンに戻って来たのだ。

そこから徐々にまた「最初はダサいと思ったけど、やり込んでみるとなかなか奥が深いな」的な感じで静かに巻き返しが始まったのだ。そして豪鬼の厨キャラ性能に驚愕し、どうやって人豪鬼を倒すかが研究され、やがて全国のゲーセンで「豪鬼、使用禁止!!」の張り紙が貼られまくり茶リュウであふれ返るまでそう時間はかからなかった(笑)。当のCAPCOMは待ち切れずに『ストZERO』をリリース、しかしこれもまた微妙な評価でその前にリリースしていた『ヴァンパイアハンター』が爆発的な人気を博し、これが当時のCAPCOMの屋台骨を支えていた。そしてXから丸2年経った1996年3月に『ストリートファイターZERO2』が発売、これが大人気ヒット作となり再びゲーセン対戦人気が盛り上がっていったのだった。

…て言っても正式に版権許諾を取るには、こういった嘘八百の美辞麗句で褒めちぎらないと一切の許諾が貰えないだろうし、かと言って中途半端にもじった「ストロングファイター3Z」とかじゃあ締まらないし。この手のリアル現代史をモチーフにした創作物の最大の欠点ですね。