2019年春アニメ最終批評.その1

7月になりましたが、まだまだ関東圏は雨続きの天候の日が多く、カラっと夏らしい晴れの日が訪れるのは先になりそうです。

最終アニメ批評: さらざんまい

予定通りというか、現段階では最終話を見てもよく分からないというのが正直な感想ですが、何を言いたいのか難解で意味不明という感じでは無く、ただまだ自分には殻に閉ざされた本当の中身がまだ見ていないんだなという感想です。

これは今までの幾原作品と同じであり、見る前から織り込み済みなので特に不快感の様なものは感じません。その内に少しずつweb記事等で様々な人達が個々の解釈や感想を述べるでしょうし、その中から自分に取っての的を得た解釈なり感想なりを読んだ時にまた違った印象や解釈を抱くのも楽しみの一つと言えます。

現時点での率直な感想は、前作の百合熊に比べてさらにひねり込んで来た印象でしたが…そう思わせて置いて実は案外、簡潔な話だったのかもしれません。そういう点も含めて真相は10年後くらいに分かるのでしょう。面白かったです。

最終アニメ批評: 世話やきキツネの仙狐さん

いわゆる萌アニメというか日常ゆるふわ系の作品で、最初から最後まで何の葛藤も成長も無く、ただひたすらにテンプレート化した日常を繰り返すアニメです。しかしながら最後の最後でお約束というか、ヒロインである仙狐さんが主人公の元を黙って去る展開で最終回へ引くも何だかんだで元の鞘に落ち着いて終わるというテンプレで幕を下ろした訳ですが…これが大多数のファンには不興を買いまとめサイト等ではコメントが荒れに荒れてしまいました。

自分は昭和生まれなので視聴した時点ではそれこそ "お約束" だと思い特に何と言う感想も抱かなかったのですが。改めて考え直すと、確かにこの様な「日常ゆるふわ系アニメ」に置いては少なくともビジネス的視点で言えば、多少なりとも主人公を追い詰めたり不安に陥らせたりする様な演出展開は全く必要ありません。本当に必要ないと思います。全体としては9割型、99%はストレスフリーで来たのだから、最後くらいはちょっとだけスパイス的な展開を入れた方が返って作品全体が締まるのでは?と考える向きもあろうかと思いますが、それは高級ワインに隠し味として糞汁を1滴垂らす様なものであり単なる愚行に過ぎないと断言出来ます。

現実ではワインに尿や糞汁を1~2滴垂らしたところで、黙っていれば飲む人には分からないですし、直ちに健康被害を及ぼす事も無いので特に問題になる事はありませんが。アニメやマンガなどの場合、製作側が隠し味のつもりでもコンテンツの形態上、必ず視聴者側に明確な形で伝わりますので、その時点で問題発覚となり大炎上事案と化すのです。

この問題はあたかも「その方が美味しいから」と勝手に了解も得ずにイスラム教徒の人を豚骨ラーメンのお店に騙して連れて行き、怪訝な顔をするその人を尻目に「まずは食べてみてよ」とチャーシューや豚骨スープを食べさせてからネタばらしをし、その人が怒っても「その割には随分と美味しそうに食べてたよ」と嘲笑し侮辱する事に等しいのです。つまりこれらの行為は一つ間違えば相手を激昂させ、報復され殺されても文句は言えない様な愚行であり大罪であるとも言えます。

汝、他人のタコ焼きにマヨネーズをかける事無かれ。