日記:2022-10-12

最終アニメ談話: オーバーロードⅣ

前作の1~3期に比べても特に演出面が非常に良くなってたと思います。こう言うと身も蓋もないですが、正直に言うと最初の第1期の時点ではここまで続く超人気シリーズになるとは思ってなくて、まあよくある「なろう系異世界モノ」としてやっつけで作られていた感はありました(笑)。それがまさかの2期、そして安定の3期と続いた事によって、最初の頃は流れ作業的にやっていたと思しきアニメ化作業が、徐々にスタッフ全体が作品自体をよく理解し始めて行き、そして第4期にして終に "掴んだ" という感じがします。

1期はまあ割と無難な感じで、序盤の本命のシャルティア戦を山場に持って来て可もなく不可もなくと言った感じ。2期ではリザードマン編に注力し過ぎてしまった感があり、肝心の本命のゲヘナ編に割り当てるべき尺が減ってしまい、結果として今ひとつメリハリに欠けた話の流れだけを追った様になってしまった様に思います。3期は逆に原作の方が割と本筋とは離れているというか、色々な伏線や前振り等は盛り沢山なのですが、物語としては大きな筋道の様なモノが見え難いパートだったせいで、アニメの方も話作りに苦戦気味だった様に感じました。

結果的に視点が定まらない感じなる場面もあり、視聴者側からすると「あれ?今、ナザリックって何を目指してるんだっけ?」みたいな感覚にしばしば陥る感じが多かった様に思います。制作側も原作ファンや視聴者をがっかりさせない様にと、アニメ的に見栄えが良くなる戦闘シーンに重きを置き過ぎたきらいがあり、そのためこの作品の面白さの本質でもあるアインズ様と他キャラ達の絡み(主に勘違い過大評価)の部分がカットされてしまい、作品テーマとでも言うべき "錯覚資産" に関する描写が全く足りていなかった様に思います。

それが今期の第4期目にしてついに制作側も何かを掴んだと言いますか、この『オーバーロード』という作品の描き方の本質を会得した様に感じました。闇雲に原作再現にこだわるのでは無く、先の展開を見据えた上で必要な描写を取捨選択し、不必要と判断した部分は大胆カットし、逆に今後の話の展開上で必要と思われる部分には原作に無いシーンも追加して補足描写するなどの変化が見て取れました。特にそのキャラクターのセリフ等には表れない内面的な心理描写を、原作には記述されていないオリジナルな描写を1カット追加する事によって、そのキャラクターの細かい性格や今後の展開に絡む際の伏線などを上手く描写出来ているなと思いました。

物語の面白さ自体は改めて語る必要も無いので割愛しますが。今後はやがて来るであろう第5期、そして製作公開が決定している劇場版が今から楽しみですね。特に劇場版は原作の巻数で言うと、今作の第4期の7話と8話の間に位置する話ですが。内容が非常にセンシティブというか…いわゆるグロ描写リョナ描写が多い残虐シーン盛り沢山の内容となるため、地上波放送は見送って年齢制限等が可能な劇場版へ回されたという "曰く付き" の話!自分は何だかんだ言って、上手く誤魔化すんじゃないかと思っていますが…はてさて、一体どうなるんでしょうね?

巷にはいわゆる「オバロ.ロス」なる症状に陥った人も居るとか居ないとか言われておりますが、自分も若干の喪失感を抱きつつも、それ以上に劇場版と次期作への期待が今から大きく膨らみつつあります。それまで楽しみにして待つ事にします…!