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龍虎の拳2、タクマ:396万

昨年末からずっと入れ込んで来た『SUPERマッスルボマー』が予想外のカンストという結果に終わり、失意の後に心機一転とばかり『龍虎の拳2』を再研究していましたが…このほど、ようやく一通りの結果が出ましたので報告します。


Twitterではちょこちょこと話していたのでご存じの方のいるかと思いますが、"龍虎の拳2 - タクマ:3963652点" です。やり始めた当初は375万を目指して研究していたのですが、30万以上の大幅更新が達成出来ました。まあネタ元はいつもの様に "カス暫烈(気力無し暫烈拳パンチ)" なんですが…(笑)。それでも現在の大阪の最終スコアはかなり高いレベルだと思っていたので、それを30万以上も上回れたのは感無量です。


古参の龍虎2プレイヤなら知ってるかと思いますが、この『龍虎の拳2』には特殊なシステムが実装されていまして。それは「コマンド必殺技を出すためにはゲージを一定量消費する必要がある」というモノ。

一般的には「気力ゲージ」と呼ばれるモノが体力ゲージの直下に表示されており、何かしらのコマンド必殺技を出す毎にこの「気力ゲージ」が消費されて行き、最終的にはゲージが全て無くなってしまうと必殺技を出す事が出来なくなってしまいます!…というのは間違いで、実は気力ゲージが無くなってしまっても必殺技は出す事が出来るんですが(笑)。

じゃあ何も問題無いじゃないかと思われますが、この気力ゲージが無くなってしまうと大幅に必殺技の性能が弱体化するシステムなんですね。つまり通常、飛び道具系の「虎煌拳」はスト2の波動拳よろしく発動すれば普通に画面端まで飛んで行く気合弾系必殺技なのですが。これが気力ゲージが無くなってしまうと弾が自キャラの目の間で消失してまう、まるで「ダンの我道拳」みたいな性能に弱体化してしまう様になっています。

なるほど、それではこのゲームは常に気力ゲージ管理をしながら、必殺技の性能を低下させない様に気を使わないといけないんだな~と思いますよね?まあそれは対人対戦ではそういう部分もあるんですが、実はほとんどの技が「意図的に気力を減らして弱体化させた方が、技の硬直や判定が強くなる逆転現象が起きる」という謎システムでもあるんですね(笑)。

特にスコアプレイに関して言えば、むしろ技のダメージが10分の1くらいにまで低下するのに加算される基本スコアにはほとんど変化が無いため、ラウンド開幕と同時に真っ先に気力消費量が大きい技を空振って、如何にして速攻で自キャラ側の気力ゲージをゼロにするかがハイスコアの肝となっている感があります。


…とまあ、そんな訳でこの『龍虎の拳2』でのスコアプレイにおいては、常に自キャラ側の「気力ゲージをゼロ(赤色状態)」で維持しながら削りダメージが最も少ない状態での必殺技をCOM相手にガードさせ続ける事が最重要ポイントとなります。あ、この『龍虎の拳2』では必殺技は相手にヒット以外にガードさせるだけでも同じだけのスコアが加算されるシステムなので、より多くの点効率を追求して行けばおのずとガードだけで相手の体力を削り取るのがベストとなります。

ですがどんなゲームシステムにもバグと言いますか裏技的なモノは存在する訳でして(笑)。一部の必殺技に関しては、気力ゲージがゼロの状態でコマンド入力を行うと、他の必殺技の様に性能劣化版の技が出るのでは無く、通常技に化けてしまうという謎仕様があります。具体的には「暫烈系の技」が該当し、「トラップショット(キング)」や「暫烈拳(極限流)」や「百裂拳(李白)」などがそれに該当します。

まあそれだけだったら良くある話なんですが、この「気力無し状態での暫烈拳」として発生させた通常技には本来の通常技とは異なる性能や属性が付与された特殊な通常技となるのです。なので「通常の通常技(笑)」とは区別するために「カス暫烈」とか「暫烈パンチ/百裂パンチ」などと呼んで区別します(トラップショットなら「カストラ」)。

それでタクマの場合、この「暫烈パンチ」なんですが、基本性能はほぼ通常の「立弱パンチ」と同じで与えるダメージも弱パンチと同程度なのですが…何と加算されるスコアは元ネタ?の暫烈拳のままで+1000点入ります。また基本的な性能や属性や通常技扱いとなっているため、この「暫烈パンチ」を他の必殺技でキャンセルして連続技として繋げる事も可能です!…とは言いつつも元々、このゲームには通常技をキャンセルしてコンボになる必殺技が皆無なので余り意味は無いんですが…(笑)。

しかしながらこの「暫烈パンチ」をさらに「暫烈パンチ」でキャンセルしたらどうなるのか?この場合、見た目上は「弱パンチ連打」を行っている様な状態になりますが、内部的には…

  • 暫烈パンチ(通常技扱いなのでキャンセル可能)⇒暫烈パンチ(キャンセル必殺技+通常技)⇒暫烈パンチ(キャンセル必殺技+通常技)...

~みたいな状態になっており、通常の連射装置を用いた「弱パンチ連打」よりもさらに高速で「暫烈パンチ連打」を行う事が可能になります。またその際には前述の通り、「暫烈パンチ」の1発1発がそれぞれ+1000点ずつスコアが加算されますので、一瞬にして+3000点が加算されます。相手と密着状態でスタートした場合、初弾を持続ヒットにする事が出来れば最大で4発まで連続ヒットさせる事が出来ます。


で、この「暫烈パンチ」を活用する事によってどうしてスコアの底上げが可能になるのかと言うと。単純なダメージ比での点効率だけで言えば、どんなにダメージが低くてもヒットさせる以上は必ず一定量以上のダメージを与えてしまう「暫烈パンチ」と、完全に気力ゼロにした状態での必殺技をガードさせた時の点効率とでは、当然ながら必殺技をガードさせた時の方が圧倒的にスコア自体は高くなる訳なのですが…?!

そもそもこの『龍虎の拳2』を始めとしたMVS系の格闘ゲームでは、1ラウンド辺りの制限時間が標準だと「60秒」になっている事がほとんどなんですね(『餓狼伝説』と『餓狼伝説2』は90秒、『ワールドヒーローズ.シリーズ』は99秒)。これがCAPCOM系の場合だと1ラウンド99秒になっているので、ストリートファイター.シリーズとかを普段からプレイし慣れていると、この60秒設定というのが非常に短く感じます。そして実際に短いので、ジャックの様に極端に火力が高くガードの上からでもゴリゴリと削りダメージを与える事が出来るキャラを除けば、例え体力ゲージが短い1面の相手であったとしても、必殺技のガード削りダメージのみで相手を時間内に倒し切る事が基本的には出来ないんです。

それだけだったらスコアプレイ的には特に問題無いんですが、『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』などに代表される幾つかの格闘ゲームでは、例え自キャラ側がノーダメージでのパーフェクト状態でラウンドを終えたとしても、制限時間内に相手を完全に倒し切ってKOまで持って行けなかった場合にはクリア時のボーナス等が加算されないペナルティが存在するのです(パーフェクトボーナスが0点になる)。特にこの『龍虎の拳2』では体力ボーナスとパーフェクトボーナスが、3面毎のボーナスゲームで「体力鍛錬の行」を成功させる度に2万5000点、3万点、4万点~という風にどんどん増加して行きますので何が何でも相手を時間内に倒し切る事が必須となります。

例えばこれが初代の『餓狼伝説』や『ワールドヒーローズ』みたいに、1ラウンド内で稼げる技点が3万点とか8万点とかに対して、体力パーフェクトボーナスは+5000点しか加算されない~みたいなシステムだったら最初からガン無視して時間切れまで技をガードさせ続ける方が儲かるかと思いますが。龍虎2では現時点で最も点効率が高いキャラでも最高で1ラウンドで+9万点、通常は4万~5万点くらいしか稼げないため、万単位で加算される体力パーフェクトボーナスは決して無視出来ない数字となります。

このため、例えラウンドの開幕から1つの必殺技を連続入力し続けてCOMにガードさせ続ける事が出来たとしても、最後は必ず0秒になる直前の01秒の時点で相手をKOしないとならないため。ラウンドの最初に気力ゲージを減らす目的も兼ねて、まずは1発大きいのを意図的にCOM相手にヒットさせてある程度、COMの体力ゲージを削って置いてから本命の連続ガードのループへと移行するのがセオリーとなります。

しかし逆に言えばこの部分は必要経費と言うか、本来であればもっと儲かるはずだったのを敢えて捨てて、意図的に点効率を下げて火力の高い技をヒットさせてしまってる訳ですので、この部分を改善出来れば大幅なスコア更新が期待出来るという理屈になります。今まで「気力量:緑色」のダメージが大きいものの加算されるスコアは1発分の+1000強しかなかったモノを、「暫烈パンチ」を使って3ヒットのコンボにすれば、それだけで+3000点ですから2000点アップになります。


はい、もうお分かりかと思いますが。こうやって今まではラウンドクリア時のパーフェクトボーナスを得るため、仕方無く点効率を下げて余分なダメージを与えていた部分を、1発+1000点の「暫烈パンチ」に置き換える事によってラウンド毎の点効率が+5000点ずつくらい爆上がりするという寸法です。

まあ実際にはそれだけでは無く、どうやっても点効率の高い「虎煌拳」を絶対にガードしてくれないCOM相手に対して、代替品である「疾風脚」をガードさせるしかない場合。それを少しでも点効率を底上げするため、気力無しバージョンでは無くて徹底して気力有りバージョンの2ヒット版の方をガードさせ続けるために、如何にしてCOMの隙きを作って「気力溜め」を行うかと言った細かいパターンの練り直しも大きいと思いますが…何はともあれ徹底的にパターンを練り上げ絞り上げた結果だと思います。

P.S.
前回、『龍虎の拳2』の動画を投稿したのがもう10年近くも前の事で、その当時はあれでもかなり究極のプレイだと自画自賛気味だったのですが…(笑)。こうやって今、改めて研究し調査してみると、当時は全く見えて無かったモノが次々と新発見されて行き、攻略概念自体が根底から覆る事もしばしばでした。

とりあえずは基本キャラとも言えるタクマでやってみた訳ですが、思った以上の良い結果が出せて満足です。無論、コレを皮切りに他のキャラも新規に再攻略再研究して行くつもりです。とりあえずは最高得点キャラのキング、そしてお気に入りであるターナー氏と持ちキャラ?の李白竜、後はMr.ビッグかな…?

――― 2021年04月02日に追記修正しました。

CPT: Combo Breaker 2018

先日、アメリカのセントチャールズで現地時間2018年5月25日から27日にかけて "Combo Breaker 2018" が開催されました。


Xian選手、スラバシイ!Infiltration選手の絶妙な捌きをかいくぐり、一点集中の針の穴を通す大逆転!見終わった後でドッと心地良い疲れが押し寄せて来る様な、もうコレが事実上の決勝戦でイイんじゃないかと思わせるくらいの名勝負でした。

それにしても出た当初こそ最強キャラなんて言われわしたものの、その後はイマイチな感が否めなかったイブキですが…そこから腐らずにずっと使い続けて来たプレイヤー達の研鑽の賜物で、ここに来てまた急激にイブキ使いが存在感を出し始めている様に感じられます。

前回の藤村選手もそうでしたが。もしかしたらこの夏、EVOの最終グランドファイナルの舞台で夢の「イブキvsイブキ」が実現するかも…?!

それ以外のTOP8に食い込んだ決勝トーナメントの模様は以下の動画より。

P.S.
いや~それにしてもInfiltration選手、改めて言うまでも無く安定してますね。私生活は色々と波乱万丈ですが、それと反比例するかの如く大会実績が凄まじい(笑)!

CPT: Stunfest 2018

先日、日本時間の2018年05月18日~20日にかけてフランスの対戦ゲーム大会である "Stunfest 2018" が開催されました。


藤村イブキ、素晴らしい!

この大会の前に行われた「RedBull KUMITE」の日本国内予選の時点でも既に、圧倒的な強さと完成度を見せ付けていたのですが。それをさらに上回る仕上がりっぷり、もう舌を巻くばかりです。

特に最終決戦のグランドファイナルでは、あの世界最強のInfiltration:メナトを相手に1本も取らせずにストレートで尚且、ルーザーズからの6連勝で一気に蹴散らしての優勝ですから。現時点での世界最強と言っても過言では無いでしょう!

さてこうなって来ると俄然、今夏の"EVO 2018"での戦いがどうなるか、否が応にもチラついて来てしまうのですが…(笑)。この完成度なら十分に「EVO2018優勝、藤村イブキ」は現実味を帯びて来ました。今から楽しみです。

ここ最近の顛末など…

という訳でいきなりのHDDトラブル!…では無くて、普通にミスって消してはいけないフォルダをうっかり丸ごと削除してしまい、今まで溜めに溜め込んだ人生の記録が電子の海に消失…。

情弱では無いので、すぐさま不要な常駐ソフトを停止させ余計なHDDアクセスを遮断。直ちにファイル復旧処理へ移行したのが功を奏したのか、かなりの数のファイルを救出に成功!…かと思ったんですが、さっきまでHDDの空き容量が残200GBを切って四苦八苦してたのが、復旧させたファイルのバイト数を足しても余裕の1.8TB以上の空き容量が…?!どうして…こんあことに…酷すぎる…!

まあ、よくある事なので切り替えていきます。つ~訳でまだ当分は事後処理に追われるので、ゲームどころかアニメ見る暇もありません!見てるけど(笑)。

P.S.
トキド対ウメハラ、果たしてその結末や如何に…?


自分は豪鬼[Vトリ1]の方が圧倒的に強いと思うので、そもそも最初の選択の時点でトキドさんはかなりアドバンテージを失っていたのではと思います。恐らくは[Vトリ1]のメインである[Ex:斬空波動拳]に対して、ガイル[サマソ]1択で回避抜けれるため、[Vトリ1]では余り有効に起き攻めのプレッシャーを掛ける事が出来ないので、だったら普通に2ゲージで発動出来る[Vトリ2]の方が使い勝手も良くアグレッシブに戦えるのでは~と言う判断だったかと思います。

しかしながら実際には直近の前回の直接対決だった "EVO Japan 2018" でも全く同じ考えで臨み、その結果全く歯が立たずにラウンドは何とか取るものの、最終的は常に火力不足決定力不足でダメージレースになって競り負ける状態だったのを、今回も全く何の反省も無く繰り返しているだけの様なプレイになっていた気がします。

特に6~7回戦辺りから明らかにトキドさん側には「もう打つ手なし」と言った悲壮感にも似た雰囲気が漂い始め、完全に相手を乗らせてしまい、逆に自分は固くなって亀状態になってしまい、相手の舐めプレイにも似たノーガード戦法や歩き投げに為す術無くやられていた様に感じました。

そもそも豪鬼[Vトリ1]は単に[Ex:斬空波動拳]が使えると言うだけでは無く、普通に地上のからのコンボでもゲージ無しでも超高火力を出す事が出来ます。これは相手にとっては非常にプレッシャーになるので優位な点です。一方の[Vトリ2]は確かに2ゲージ発動が可能で火力は出せ無くともラウンド中に2回発動して~等と妄想しがちですが、ナッシュの様に「即時発動消費型」で無い限り、少なくとも上級者同士の戦いでラウンド中に[Vトリガー]を2回発動して尚且無駄なくコンボ叩き込む事などまず無理。

例え3ゲージ発動タイプであっても得られるメリットの方が圧倒的に[Vトリ1]の方が大きいと思います。そして何と言っても最大のメリットは「[瞬獄殺]が使える様になる」事です。ラウンド終盤、体力ゲージが半分切って来た状態の時、豪鬼[瞬獄殺]を使えるかどうかは単純にダメージ以上のプレッシャーを相手側に与える事が出来ます。逆に[瞬獄殺]の無い豪鬼はただのちょい性能の良いリュウケンに過ぎません。総合的に考えても[瞬獄殺]を捨てるメリットは0!戦力は半減した状態で戦い臨むようなものです。

確かにガイル[サマソ][Ex:斬空波動拳]を簡単に無効化出来ますが、それはあくまでも豪鬼側が飛んで来たガイル[昇龍拳]で迎撃出来た時のみにしか行えない限定的な起き攻めの時のみに有効になる回避方法であって、そもそもそういうシチュエーション自体がそうそう無い事ですし、それを封じられても普通に投げと打撃の2択を迫れば良いだけの話、さらにその時に[瞬獄殺]の選択肢が有れば豪鬼側が不利になる事はありません。

また豪鬼[瞬獄殺]を使える状態と言う事は自動的に「3ゲージ溜まっており[CA:赤鴉空裂破]も撃てる状態」と言う事なので、打撃と投げの期待値がほぼ同等になり、相手側のプレッシャーは想像を絶するモノになると思います。この超高火力のプレッシャーを終盤に相手に与え続けられる事こそが豪鬼の魅力であり、また強さの根源だと思います。これを自ら捨てるなんて選択肢、最初から完全に除外すべきです。

競技者の涙は美しく、それを見る者達の感情を揺さぶり高揚感をもたらしますが…その涙の意味をトキドさんには一人になった時にじっくりと考えて欲しいです。悔しさ?後悔?自分は今後もずっとトキドさんのファンであり続けるので、誰に対しての何のための涙だったのか、きちんと自分の中で答えを見つけ出し、またそこから再挑戦をゆっくりとで良いので歩み出して欲しいと思います。

Capcom Cup 2017

先日、日本時間の2017年12月9日~11日にかけて世界的な対戦ゲーム大会である "Capcom Cup 2017" が開催されました。


予選プールを勝ち上がって決勝のTOP8へ進出したのは、

  • トキド
  • ネモ
  • 板橋ザンギエフ
  • ゆかどん
  • もけ
  • ウメハラ
  • Problem X
  • MenaRD

~以上の8名。

この「Capcom Cup」は通称プレミアムリーグと呼ばれるモノで、その年の他の主要な国際大会の成績に応じて付与されるポイントの獲得上位者のみが参加出来る、いわばその年の最強ゲーマーを決める決定戦の様な大会です。従って予選プールの段階から参加者全員が何かしらのタイトルホルダー(大会優勝者)でひしめき合う修羅場となり、決勝トーナメントのTOP8に勝ち残るだけでも大変な戦いとなります。

また今年から参加資格のためのポイント計算方法が変わり、単純に個別の大会成績の順位が平均的に加算される様になったため、海外で万部無く上位に食い込む日本人プレイヤに有利なルールとなったため。蓋を開けてみればTOP32中16人が日本人となる日本大会の様な状況となったため、決勝トーナメントのTOP8にも多くの日本人プレイヤが残る事となりました。このため来年以降はまたルール変更が行われるかもしれません。

ドミニカからの刺客、MenaRD!

今回も年の最後を締めくくるに相応しく、予選プールの段階から好勝負名勝負が連発した良い大会となりましたが…何と言っても今回の "台風の目" となったのはMenaRD選手です!…と言っても余りにピンと来ない人も多いでしょう。それもそのはず、彼はここ半年くらいの間に急激に力を付けて来て伸びて来た選手で、その見た目通りのビッグな風貌に相応しく持ちキャラもバーディーです(笑)。

前々から自分、バーディーはかなり強キャラでは無いかと思っていたのですが、その予想を覆すくらいの強キャラっぷりを発揮して今回の予選を勝ち上がって来たのがこのMenaRD:バーディーです。と言っても何か強烈なハメ技とか斬新なセットプレイをする訳では無く、純粋に「読みを通す」のがこのMenaRD選手の強み。特に中間距離から不意に撃って来る[EX:ブルリベンジャー]は予測不能!多くの手練日本人プレイヤもこの[EX:ブルリベンジャー]の急襲に反応出来ずに次々と餌食になってしまいました。

そしてR中にこうやって常に[EX:ブルリベンジャー]を意識させて置き、ここぞと言うタイミングで意図的に技発生が遅い通常版の[ブルリベンジャー]を発動させ相手の回避行動である[後ジャンプ]を誘い。さらに相手は回避して逃げる事を折り込み済みで[CA:バッド.スキップ.チェーン]のコマンドを先行入力して置き、着地と同時にスーパーキャンセル最速発動して空中ガード不可避状態の相手を確実に吸い込むウルテクを使って来ると言う、見た目に似合わない策士っぷり(笑)。予選プールではウメハラもこれに引っ掛かって敢え無くLooserz落ちさせられていました。

最終決戦: トキド vs MenaRD

そうして最終決戦の場に立った二人、我らがトキドさんとMenaRD!WinnerzFinalで既に1回戦い、その時点では接戦でしたがトキドの勝利。この手の大会ではお馴染みの「Winner側3先で優勝、Loser側3先でリセット再勝負」と言うGrandFinalルール。試合数的にも先の試合でも勝っている精神的優位の面でもトキド選手の圧倒的有利な状況で試合はスタート。

1stゲームは相変わらず接戦でしたが運にも恵まれトキド選手が先ずは1勝。続く2ndゲームもかなりもつれ込みましたが、第1Rの最後、画面端に追い込まれて絶体絶命かと思われた矢先に、まさかまさかの "起き上がり瞬獄殺"トキド選手がRを取ると言う暴挙と言っても良い行動に会場は大いに沸き返り、逆にMenaRD選手には明らかに動揺の色が見え動きに精彩を欠き、続けてRを落としてしまいます。

正直、この時点で自分も含めて多くの人が「トキド…勝ったな!」と思ったに違いありません。だってトキド選手は既に今夏のEVO2017の優勝者にして最強豪鬼プレイヤの呼び声も高く、現役最高のレジェンドと言っても過言では無いプレイヤに成りつつ有るのに、一方の対戦相手のMenaRD選手はまだまだ無名の言葉は悪いですが「ポっと出」のプレイヤと言う印象が拭えません。これは経験の差が出たなと誰しもが思った瞬間でした。

ところがギッチョン!何と何と、このまま無残に崩れ去るかと思われたMenaRD選手が土壇場で踏み止まり、さらには巻き返し始めます!3-0で終わるだろ的な会場全体の雰囲気を覆して、相変わらず接戦ではありましたが1本を取り返します。この時点でも試合数的には圧倒的にトキド選手有利の状況には変わりなかったのですが、[瞬獄殺]を喰らってドン底に叩き落された男がこの貴重な1本を勝ち取った瞬間、確かに何かが変わり始めました。

逆に圧倒的に優位だったはずのトキド選手のメンタルがこの瞬間から崩れ始めた様に感じます。動画内でも素人目に分かり易いのは起き上がりの[EX:豪昇竜拳]の空振りです。バーディーには超高火力な[コマンド投げ]があるため、特に画面端での起き攻めはすぐに切り返して連続のセットプレイを避けるのはセオリーではあるんですが…その選択肢としての[EX:豪昇竜拳]が尽く裏目に出てしまい、逆にカウンタでの強力な追撃を何度も貰う場面が明らかに増えてしまいました。

絶対王者と思われた格上の相手が安易な空振りを連発し、それを逆に差し替えして確実にダメージを取って行く毎にMenaRD選手は徐々に、そして確実に自信を取り戻して息を吹き返した様に思えました。その根底にあったのはこのSFVと言うゲームの本質により近付いた方が勝利にも確実に近付いたのだと感じた瞬間でした。

最終決戦: そして勝敗を分けたのは…

自分が見る限り、勝敗の大きな分かれ目になったのは3rdゲーム目1R終盤の[EX:豪昇竜拳]の空振りです。これは恐らくトキド選手の対バーディー用の「対策」だと思われるのですが、その前までは上手く機能していたためこの場面でも「安全策」を取って[EX:豪昇竜拳]を出して行ったのだと思いますが…結果は完全に裏目!まさかの空振りで逆にカウンタで反撃を喰らってしまい一気に押し切るチャンスを潰されてしまいます。

その後の展開だけ見れば運悪くぶっ放しの[EX:ブルヘッド]に引っ掛かってしまっただけの様に感じますが、このRを取り切れずに落としてしまった事が結果的にはこの後のMenaRD選手の回復に大きく貢献してしまったと思います。この本来であれば「対策」であり「確定」だったはずの[EX:豪昇竜拳]の空振りがトキド選手自身も気付かないうちに自分自身で恐怖心を植え込んでしまい、この後は要所要所で消極的な行動(本人的には「対策」)が増えていった様に思います。

一方、最初に一気に2-0と追い込まれたMenaRD選手でしたが、この土壇場を凌ぎ切った事で落ち着きを取り戻し。また最後の決め手になった[EX:ブルヘッド]の「読み」にも改めて自信を深めたと思います。自分のやって来た事に間違いは無かった、ゲーム差はあるがどのRも接戦だった、自分は決して相手に引けを取ってる訳では無いのだと。

逆にトキド選手はいつもなら {[豪昇竜拳]⇒Vトリ発動} の対空迎撃で引っ掛けた後は[斬空波動拳]からの表裏2択の起き攻めをするのが常だったのが、この時を堺にとりあえずヒット確認時点からの追撃の[豪昇竜拳]を出して確定ダメージを取って置き、後は適当にセットプレイを継続するも手堅くガードで凌ぎ切れられると言う場面が増えて来ます。確かに表裏2択の起き攻めはハイリスク.ハイリターンな面は否めませんが、それでも相手は元から体力が多いバーディーです。ちびちびとした削り合いのダメージレースになったら豪鬼の方が不利です。

そもそもこういう局面で表裏2択の起き攻めを掛けられる様にして置くためにも、日頃から「読み」を鍛えて置く必要があるのです。

SFVの本質とは

よく配信などでもプロゲーマーの面々が「対策」と言う言葉を多く口にします。色々な意味が含まれますが、それは往々にして「安全策」や「確定反撃」の事を意味しています。SFVの本質はズバリ「読み合い」です。確かに確定コンボや起き上がり時の安全策みたいなモノは存在しますが、それだけを淡々と繰り返し行なっていても大会上位者とのトーナメント戦では勝ち残る事は出来ません。それは単純にSFVと言うゲームがその様に作られているからです。これはメーカーであるCAPCOM側の公式アナウンスや実際のアップデートの数値調整を見れば明らかです。

実際のゲームのシステムや今後の調整が須らく「見てからの超反応や安定行動を排除し、事前のプレイヤ同士の読み合いで勝敗が決するシステム」の方向性へ動き続けているにも関わらず、それに背を向けて「対策」を研究し続けていてもすぐに限界が来ます。実際、それでSF4時代にはブイブイ言わせていた数多くの強豪プレイヤ達が消えて行きました。現時点で何とか踏み止まっている古参プレイヤ達もたまたま選んだキャラ運が良かっただけで、それも今後の調整が繰り返されて行く中で徐々に消え行く運目にあります。

実はMenaRD選手は2000年生まれのまだ17歳だそうで(全然、そうは見えませんが…)、そのため遊び始めたゲームを素直に受け止めメーカーが提示した「読み合い」のシステムをキツいとか安定しないとか思わずに、全部そのままに吸収して自分の力にして行ったのだと思います。今回は余り奮いませんでしたが、Punk選手とかもその部類ですね。今後は益々、この様な苦労の多い「読み合い」に何の疑問も感じずに素直に受け取ってバカ正直に "読み" を鍛えるプレイヤが大会を制して行くでしょう。

ある男は「EVOやCapcomCupで優勝するのは運」だと言いましたが…それは考え違いだと思います。仮にもしそうだとしても、ならば「運も実力の内」なのです。そしてそのCapcomCupで勝ったMenaRD選手は紛う事無き世界最強のプレイヤなのです。

新チャンピオンにしてドミニカの英雄、MenaRD選手に拍手を贈りたいと思います。そして改めて "CAPCOM Cup 2017" 優勝、おめでとうございます!

P.S.
自分的にはこのラストの "CAPCOM Cup 2017" も優勝してトキドさんに完全制覇して貰い、2017年を "Year of TOKIDO" として欲しかった…残念!

まあ確かに2位準優勝でも十二分に凄いんですが、ファンとしては残念。でもまたこれでさらに強くなって来年のEVOも優勝して、その時こそ完全制覇してくれるものと期待したいです。

後、付け足しっぽくなりましたけど…ネモ選手も3位入賞おめでとうございます!